
「学生の頃に、銀座のバーに連れてきてもらってバーテンダーは天職だと感じました。
もともとお酒を飲むのが好きでしたが、提供する側に回ったらもっと楽しいかもしれないと思ったのがこの世界に入ったきっかけです」
現在から30年ほど前の話。
オーセンティックなバーは数えるほどで、ウイスキーの輸入量も少なく、現在のように簡単に手に入る時代ではなかったという。
長谷川さんは、ウイスキーに関する知識を得るために、イエナ書店で洋書を購入し、自分で翻訳した。
わからないことは、トニーズバーのトニーさんなど、名バーテンダーに教わるなど、ほとんど独学でウイスキーを知る。手に入らない銘柄は、海外出張へ行くお客様へ洋書のコピーを渡して、購入してきてもらうこともあったという。
初めてスコットランドを訪れ、様々な蒸溜所を見学した際、感動のあまりなんと200本近くのウイスキーを購入して日本へ送付したのだそうだ。現在でも、日本全国のみならず、ヨーロッパを中心に蒸溜所を訪れている。
こうして手に入れた希少なお酒も、必ず飲んで味を覚えていった。
この体験を通して、ウイスキーがもつ多彩さや、味の奥深さに魅せられたという。
会員制としているが、フリーのお客様でも来店でき
世界のお酒を堪能できる。
ウイスキーやカクテルを片手に、ダイズを楽しむ
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銀座に恥じないバーを経営したい
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1985年に「MONDE BAR」を開店。磨きこまれたカウンターやアンティークの椅子などを使用した、古き良き銀座のバーである。カードテーブルを店内中央に設置し、大人の社交場といった風情もかもし出す。
ウイスキーやカクテルを片手に、ダイズを楽しむお客様もいる。負けた方が1杯奢るというのも、なかなか洒落ている。