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THEプロフェッショナルインタビュー5月号 Bar HEATH/東京・国立 大川貫正氏

「新橋のトニーズバーで、シングルモルトを飲んでこんなおいしいものがあるのかと感激しました」
国立でカフェを経営していた大川さんは、支店としてシングルモルトを看板にしたバーを開店しようと考えた。
当時、シングルモルトはほとんど知られておらず、非常に手に入りにくいものであった。
大川さんは、ヒースの開店にあたり、スコットランドの蒸溜所やウイスキーショップを回り、シングルモルトを買い付けして店に並べた。

「送料や保険、関税などもかかりますし、個人輸入ですから大変でした。一度、輸入した瓶が割れてしまったことあって、とてもショックでした。
保険をかけていたのでお金は戻りましたが、1本ずつ大切に選んだウイスキーでしたので、悲しくて仕方ありませんでした」


シングルモルトやカクテルに関する知識は、トニーズバーの松下安東仁(通称トニー)さんに教わった。アンティークのランプが柔らかく店内を照らす店内には、在りし日のトニーさんの写真が飾られている。

ヒース
『在りし日のトニーズバーの‘トニー’こと松下安東仁氏の写真が煌々と微笑む』

「トニーさんは私の恩師。トニーさんが進駐軍の将校倶楽部で働いていたこともあって、バーには欧米の空気がありました。晩年までビールやステーキ、ケーキなどのボリュームのあるものを好んでいましたね。そのためか、カクテルも甘味があるもの、ドライなものとはっきりとしたメリハリのある味でした。ヒースのカクテルは、トニーズバーの味を目指したものです」

現在、トニーズバーにはヒースで働いていたスタッフがいる。大川さんにとって、自分の弟子がトニーズバーの孫弟子になったことは最高の名誉だと胸をはる。

   

ヒース 『Bar HEATHオーナーの大川貫正氏』


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古き良き文化を若い世代に伝えたい
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トニーズバーを目指したという大川さんは、あくまでもクラシックスタイルを貫く。
ウイスキーを大きめのグラスで提供する。これは、好きなように加水して味わってもらうためだという。暑い日などは、ハイボールやウイスキーサワーといった飲み方もいいというが、オン・ザ・ロックはアメリカのスタイルなので、推奨しないという。

ヒース

ヒース

大川さんのスタイルは、お酒の提供だけでなく、インテリアにも込められている。ヒースのカウンターはやや高い位置にある。スタンディングでも良い高さで、スツールも高い位置だ。そして、コート掛けの位置もやや高く設置した。

「バーは大人が格好良く振舞える最高の舞台。男性が女性を連れてきた際は、きちんとエスコートして欲しいですね。敢えてコート掛けの位置を高くしたのは、男性が女性のコートを掛けてあげて欲しいから。スツールも座りにくいので、イスもきちんと引いてあげて欲しい」

バーは公の場であることで振舞う機会を学ぶ絶好の場所である。バーだけでなく、様々な場所でスマートに振舞えるようになるには、年上の人などに連れて行ってもらって、様々なことを学んだ方が良いとも語る。

「最近の若い人は、居酒屋でカクテルを覚えるでしょう。甘い飲み物と食事という組み合わせがありますから、寿司屋でジュースという組み合わせも平気な人もいます。少しおこがましいかもしれませんが、古き良き文化をきちんと伝えていきたい」

大川さんと話をしていると、楽しくて瞬く間に時間が経つ。大人の格好良さを体現するバーテンダーであるからこそ、同店の魅力は増している。

ヒース

ヒース

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2008/05/31 10:00

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