
店内の窓は縦の楕円形にかたどられ、床にはバルト海クルーズの海の色「コバルトブルー」のカーペット。まるで豪華客船の船室にいるような重厚感が漂っている。旅をする人たちや、小樽を故郷としこの街に帰ってくる人々を、あたたかく迎えいれてくれる港のようなバーだ。
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マスターバーテンダーの野田浩史氏(同ホテル料飲部副支配人)は北海道に生まれ、幼少期は道内で過ごしたという。早くに故郷を離れ単身で東京・京都と渡りバーテンダーとしてのスキルをひたすらに磨いた。
「若い頃家族の近くに居られなかったのですが、北海道に再び戻った時には、縁あって小樽でお仕事をいただきました。そしてそれからは家族の近くで時を過ごすことになったのです。不思議な絆を感じます」。
同店のコンセプトは野田氏自身の想いとも重なり、「お客様が帰ってこられる場所」として、現代のせわしなさには流されずゆったりとした時間を刻んでいるようだ。