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おもてなしの心と志
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京都で働いていた修行時代はカクテルなど実際に作らせてもらえなかったという。グラスを磨いて氷を用意、ジュースを絞ってスタンバイばかりの同じ毎日の繰り返しだった。しかしその経験が今も全てのベース、振返れば得がたい時間だったと野田氏は語る。
「全ては段取りが八分。備えがどれくらいあるかで残りの二割が変わってくると思っています。10人お客さまがいれば10通りの挨拶がありますし、お客様をどれだけおもてなしできるかは事前の準備で決まります。この事は仕事に限らず、考え方や生き方に広く通じると思っています」。
バーテンダー以外にも、スクールの教師として朝の挨拶から学ぶこともあり、料飲部の副支配人として学ぶ経営学もあるという。多忙だが充実した毎日を送る野田氏。
「人はそれぞれ傷を持ってBarに足を運んできます。私自身も弱い部分やコンプレックスはありますし、それは毎日の出来事からしか補えない。補い続けていくことで人に必要とされる存在でありたいと思っています。
そうすることが単にバーでお客様を待っているということではなく、待てる人であるということにつながり、こちらから迎えに行くような気持ちでここにいます」。
寒さが日ごとに厳しくなる師走の小樽であたたかさを感じられるバー、この地に立ち寄ればまた扉をあけることだろう。
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