
階下の客層とは全く合わない場所ではあるが、駅から地上に出ることもなくエレベーターで昇れる立地である。1991年、渋谷の109の8階に、コレヒオが開店した。「渋谷は便利な立地だけれども、大人が行く店がない」と考える人達は多かったのだろう。大泉氏が会員制クラブで鍛えた接客もあり、コレヒオは伝説のバーとなった。
「ビルの規定で、23時には閉店する。来店したお客様が『これから飲もうと思っていたのに』、なんてぶつくさいいながら帰る。それでまた次の日に、『昨日、終電に間に合って助かったよ』といいながらまた来てくれました」
2004年、大泉氏は現在の場所に、コレオスを開店。スペイン語で、郵便局の意味を持つ。世界各国にある、人とのつながりの拠点だ。
「70歳になって、そろそろ自分で店をやるのもいいかなと思って」
ウイスキーやクラシックなカクテル、大泉氏の笑顔も健在だ。おすすめはグレンフィディックのウイスキーサワー(※2)。コレオスのお酒以外の名物は、トーフピザ1,050円。「お腹を空かせたお客様に、一皿で栄養が取れる料理を出そうと思って」大泉氏が考案した一品だ。豆腐の上に、オイスタースモーク、ソーセージに野菜、トマトソースとチーズをのせたもので、豆腐という和の材料を使用しながら、洋酒にも合う料理である。
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