新宿駅西口から続く小滝橋通り界隈にあるビルの2F。

ちょっととっつきにくい印象ですが、扉を開ければ
バーテンダー・岡村 朗さんのこの笑顔！

新宿のビルの借景を生かした明るめの店内と
「いらっしゃいませ」の柔らかく包み込むようなトーンに、
一気に心がゆるみます。

「バーというと薄暗い店内というイメージがありますが、
お客様に、明るく元気な気分になっていただけたらいいなと思って
少し照明を明るくしているんです。
気軽にくつろいでいただける、アットホームなバーを目指しています」（岡村さん）

店内を見渡すと、目に飛び込んでくるのは
あちこちに置かれたフクロウのオブジェ。
見ているだけでほっこりとした気分になります。

「実は妻もバーテンダーで、八王子に同じ『バー カクテルブック』を
構えております。ふたりで作った店のロゴに彼女が好きなフクロウのイラストを
入れていたら、お客様がプレゼントしてくださるようになり、
気づいたらこんなに集まっていました（笑）」（岡村さん）。
岡村さんが独立したのは5年前ですが、奥様はそれより少し前に
店を開かれ、今は子育てを中心に時間の許す範囲で店を開けていらっしゃるそうです。

「さて、1杯目は何にいたしましょう？」と岡村さん。
実は私、この瞬間がちょっぴり苦手。お酒にあまり詳しくないので
何を頼んだらいいか、わからないのです。
正直に伝えると「そういうお客様も多いですよ。
まずは好みやその時々の感覚、状態を教えていただければいいんです。
ウイスキーなのか、ビールなのか、味は甘め、さっぱり、フルーティ、
パンチの効いたもの、お腹は満たされているかどうかなど・・・。
バーテンダーはそれに合わせて
ぴったりの1杯をお作りします」と教えてくださりました。

そこで、「ウイスキーを使って、さっぱりしたものを」とオーダー。
今までは「おすすめは何ですか？」とつい聞いてしまいがちでしたが、
この質問はよくないとわかってきました。
旬の素材は別にして、バーにとってはすべてがおすすめなんですものね。
それと自分の気持ちを正直に伝えると、
何が出てくるかワクワクしながら待つ、という
楽しみが増えますね！

岡村さんがサッと作ってくださったのは、
今人気の国産ウイスキー「知多」を使った「知多ハイボール」。

ご存知ウイスキーと炭酸水のシンプルなカクテルですが、
「知多」の香りが立ち、軽やかな口当たりで後味がほんのり甘く、
シンプルにおいしい！　
「カクテルブック」ではバー初心者にもわかりやすいよう、月替わりで
おすすめのお酒を用意していて、4月は「知多」を予定しているそう。
爽やかな味わいは、春にぴったりかもしれません。

2杯目は「季節のフルーツカクテルを」とお願いしてみると
「宮崎県産のさっぱりした日向夏で、
ソルティ・ドッグはいかがでしょう？」と岡村さん。
日向夏を絞り、シロップで甘み、味わいの調整にレモンの酸味を少量足し、
「ビーフィータージン」と塩ふたつまみを加えてシェイク。

仕上げに日向夏の皮で香りづけした1杯は、
酸味と甘みに塩が加わることでぐんとコクが増し、
爽やかなのに飲みごたえあり。ついゴクゴクと進んでしまう
危険な（笑）おいしさでした。
また「ソルティ・ドッグ」はグラスの縁を塩で
スノースタイルに飾るのが一般的ですが、
つくる段階で塩を入れるスタイルは新鮮でした。

最後にお会計をして、そのお得さにまたびっくり。
スタンダードカクテルは1杯1,000円、
フルーツカクテルは1,200円。
チャージは600円で日替わりのお通しがつきます。

「僕の夢は『カクテルブック』という空間を後世に残すこと。
親子2代、3代で通えるような店にしたい、そのために
採算よりもお客様に満足いただけることを常に考えています」（岡村さん）。
すでにたくさんいらっしゃるという常連さんが、
きっとその夢をかなえてくれることでしょう。

＜紹介カクテルの価格とお店データ＞
DATA
知多ハイボール　1,100円
日向夏のソルティ・ドッグ　1,200円
チャージ　600円

Bar Cocktail Book Shinjuku（バー カクテルブック シンジュク）
東京都新宿区西新宿7-5-5 プラザ西新宿201
TEL 03-5332-3075
月〜木19：00〜03：00、金19：00〜04：00、土祝18：00〜１；00
日＋α休
https://bar-navi.suntory.co.jp/shop/0X00225662/