店内は小さなL字のカウンターになっています。こぢんまりとした居心地のいい空間です。穏やかな店主のキャラクターも楽しく、初訪問の2人を和ませてくれます。エマさんの1杯目は、ミントジュレップ。甘くない大人の味がいいですね。僕は「サッパリとした甘くないカクテルをロングで」と注文。出てきたのは、ホワイト・レディをグレープフルーツとソーダで割ったものでした。爽やかなジンの香りが心地いい。ホワイト・レディは、ドライ・ジン、ホワイト・キュラソー、レモン・ジュースで作ります。ジンをブランデーに代えるとサイドカー、ラムだとX-Y-Z、ウォッカにするとバラライカになります。定番カクテルは意外に共通していて、調べてみると面白い発見もあります。お通しは焼きトマト。オリーブオイルと塩の味付けが新鮮な驚き。こんな手の込んだものがお通しで出てくるとは、ちょっとした驚きがあります。 普段飲まないスコッチのハイボールが飲みたいと思い、マスターに相談。グレンフィディックのハイボールが意外に美味しいということで、お願いしました。グレンフィディックは世界で一番売れているシングルモルトウイスキー。ハイボールにするとほんのり甘く、癖になりそうな味わいです。いつも飲む白州10年のハイボールとは、印象がずいぶん違います。エマさんは人気の梅酒PRUCIA(プルシア)を使ったカクテル。プルシアにテキーラとレモンシュガー。これも大人のカクテルです。2杯軽いものが続いたので、そろそろアイラモルトが飲みたくなります。ラフロイグ15年のストレートにしました。15年はいつも飲む10年とは違った重厚な味わい。香りよりもこの味わいを重視しているのでしょうか。 カナッペが出て来ました。レバーペースト、オーストリアのヤギのチーズ、ホタテのトマト煮。これもお通しでしょうか。注文しなくても、お客さんの様子を見ながらフードを出してくれます。そういえば食べ物は何も頼んでいませんでした。オイルサーディンも追加注文。これはモルトによく合います。エマさんはさすがに油の専門家だけあって、マスターとオイルの話に夢中です。エマさんは、ウォッカベースのカクテル、ブルドッグを注文。僕は久々に山崎のシェリーカスク 。これは昨年「山崎」の発売25周年を記念して発売されたもので、僕の周辺ではとても流行ったウイスキーです。シェリーの甘い香りがなんとも言えません。
マスターとのお喋りが楽しくて、ついつい長居してしまいます。銀座のビルの中に、こんなに和む空間があるとは考えもしませんでした。エマさんにとってバーとは、「安らぎの場所、寛げるところ」といいます。質の高いお酒とサービスは安心感を生みます。そして店主の人柄も欠かせない要素です。この2つを兼ね備えたBAR Ladybirdは、上質の安らぎを与えてくれる銀座のとっておきの場所でした。

□■お店情報■□
銀座 オーセンティックバー Ｌａｄｙｂｉｒｄ
東京都中央区銀座5丁目4-15 西五ビル6Ｆ
03-3571-3655