さて、今回伺ったのは、新橋・銀座駅近くにあるオーセンティックバー、「ＢＡＲ　武蔵」です。
のんびり歩いていないと見つけられないような、慎ましやかな入口。
重厚感のあるドアを押し開けると、地下へと続く階段が現れます。

銀座8丁目の路地から、扉を開け、階段を一段一段降りていく毎に、日々の喧騒から遠ざかっていくようです。
人懐っこい笑顔のバーテンダーさんたちに迎えられ、早速お酒をいただきました。

まずお願いしたのは、「ボウモア　12年」を使用したカクテルです。

琥珀色に輝く、『アイラモルトの女王』、ボウモア。
このボウモアを、バーテンダーさんがどんなグラスに仕上げてくださるのか・・・・・・
わくわくしながら待つこの時間が、とても好きです。

そして供されたのが、「ハニーハイボール」。
その名の通り、はちみつ入りのハイボールをボウモアで作ったものなのですが、このはちみつが特別なものなのです。
「銀座ミツバチプロジェクト」、この名前にピンとくる方、いらっしゃるのでは？
銀座の屋上で養蜂し、銀座の様々なお店でそのはちみつを使ったメニューを展開しているプロジェクト。
このハニーハイボールも、そんな銀座のはちみつを使用したものなのです。

レモンジュースとボウモア、そしてはちみつ。
レモンの甘酸っぱさとはちみつの甘さが最初に広がり、その後からボウモアの香りが追いかけてきます。
「銀座のはちみつは、採取後に火を通していないので、冷たいものにもさらりと溶けるのでお酒とあわせやすいんですよ」と、バーテンダーさん。
香りも良く、カクテルにとても使いやすいはちみつなのだそうです。
この香りのよさが、ボウモアと喧嘩せずうまく調和していて、『女王』というよりは『お姫様』のイメージ。
このハニーハイボールなら、「ボウモアってちょっと苦手」という方にも、ボウモアの豊かな香りを感じて頂けると思います。

次に、バーテンダーさんのおすすめ、オリジナルカクテルを作っていただきました。

「カシャーサ」という、サトウキビを原料として作られる蒸溜酒を使った、その名も「パイピリーニャ」。
このカシャーサを使った代表的なカクテルに「カイピリーニャ」というものがあり、通常ライムを使用するものなのだそう。
お客様のリクエストにより、ライムをパインに変えて作ってみたのが、この「パイピリーニャ」なのだそうです。

甘めに仕上げているカクテルですが、思ったよりも濃厚な味わい。
パインを潰して入れてあるので、カシャーサの風味がしっかりと移ったパインをスプーンですくって楽しむこともでき、2度美味しいカクテルです。
フルーツカクテルというと、甘く、女性的なイメージがありましたが、これは男性にも喜ばれそうな、インパクトのある1杯だと感じました。

最後に、おつまみとしていただいたこちら、なんとこのバゲットは自家製なのだそう！

お菓子作りやパン作りをされているバーテンダーさんが、思考錯誤の末作り上げたバゲット。
自家製パンを味わえるバーなんて、なかなかないですよね。
カクテルだけでなく、こだわりを感じられるフードメニューにも心を奪われることでした。

気さくなバーテンダーさんが作り出す独創的なカクテルは、1杯1杯にストーリーがありました。
そのお話を聞くだけで、その夜はぐっすりと眠れそうな気がするのでした。
カウンターだけでなく、少人数のグループで使うことが出来るテーブル席もありますので、ちょっと語らいたいときにもぴったり。
「このあと、どこ行こう？」、そんなときに是非、立ち寄りたいバーでした。

 □■お店情報■□
銀座 オーセンティックバー 「ＢＡＲ　武蔵」
東京都中央区銀座8丁目10-7 東成ビルＢ1Ｆ
03-5537-6634
東京メトロ銀座線新橋駅1番出口より徒歩5分／東京メトロ銀座線銀座駅より徒歩7分