2015年6月24日カクテルと料理で上質な「時間」をゆったりと味わう
~東京・渋谷 BAR IRIE(バー・イリエ)
締め切りや校了(誌面づくりの最終チェック)に追われる私に、
友人が「たまには時間を忘れてゆっくりしては? いいお店があるよ」と
紹介してくれ、訪ねたのが
東京・渋谷駅そばの「バー・イリエ」さん。
渋谷駅南口、マークシティ裏手の飲み屋街を歩いて約2分。
ビルの階段を下ると...
エントランスに木のぬくもりを感じる花台と、大輪のユリの花が!
扉の向こうの様子が伺えないバーはなんとなく敷居が高く思えるけれど
美しく活けられた花からおもてなしの心が伝わり
少しドキドキしながらも、重い木の扉を押す。
照明を落とした大人っぽい空間でまず、目に止まるのは
天然木の大きなカウンター。ここにも美しく活けられた花が。
カウンターを撫でていたらオーナーの入江正彦さんが、
「ミズメという木の一枚板を漆で仕上げたものを使用しています。
木のぬくもりを感じていただけたら」と声をかけてくださった。
入江さんは若い頃は画家を目指していらしたが、
家業を継いでバーテンダーになられたそうだ。
12年前、それまでの店舗からフルスケールで改装して再オープンした。
近隣に「ショットバー・チアーズ」やステーキレストラン「ルステーク」など、
さまざまな業態の飲食店を立ち上げている敏腕経営者だけれど、
時折バーテンダーとして店に立ち、美味しい時間を提供されている。
「私たちのこだわりは『時間』です。
日常の慌ただしさから離れて、ここではゆったりとした時間を
過ごしていただきたい。そのために、お酒はもちろん
手づくりの肴にも豊富にご用意しています」(入江さん)
カウンター席奥の背後にはキャビネット型の
ヒュミドール(保温保湿庫)に葉巻がぎっしり。
「趣味のようなものですね」と笑う入江さんだが、
1本を長くじっくりと燻らす葉巻は、
やはり「ゆったりとした時間」にこだわって置かれているアイテム。
バーで飲むのに慣れていなくて...と告げると、
1杯目には「ジントニック」を勧めてくださった。
「ビーフィーター」にトニックウォーターを注ぎ、
ライムを加える。
いただきます。
...すっきりとクリアで、きれいな味。
居酒屋やレストランでも飲めるおなじみのカクテルが、
ここではベタな甘さのない大人の飲みものに変わる。
「ジンもトニックウォーターもライムも、人が愛情をかけてつくったもの。
その味を壊さぬよう、丁寧につくればおいしくなるんです」と入江さん。
2杯目は、入江さんが初めて作ったという思い出の「ウイスキーサワー」。
ハンドメイドにこだわったバーボンウイスキー「メーカーズマーク」と
レモンジュース、パウダーシュガーをシェイク。
できたてのカクテルは、甘酸っぱく、ふんわりと柔らかい味がした。
それを伝えると、「シェイクして空気を抱き込ませているので、
ふんわりした口当たりになるんです。
混ぜ方によって味が変わるので、
お客さまの好みや状況などの見極めが大切です」と入江さん。
シンプルだけど全然違った味わいを持つこの2杯に
カクテルの奥深さを少し知ることができたような気がする。
ひょっとしたら、初心者の私をバーの楽しさに
目覚めさせてくれるためのセレクトだったのだろうか。
最後にいただいた、4日間かけて煮込むという
「BAR IRIE カレー」も、丁寧につくられたことを感じられる
コク深く繊細な本格派の味わいで大満足。
カレーを目当てに来訪する人がいるほどの人気メニュー。
他にも自家製燻製や肉料理、パスタまでさまざまな手づくりの肴がそろい
おいしいお酒と肴でつい長居してしまう、素敵な空間だった。
<紹介カクテルの価格とお店データ>
DATA
ジントニック 1,200円
ウイスキーサワー 1,600円
BAR IRIE カレー 1,500円
※気軽に一服していただきたいという思いから、チャージ無し。
BAR IRIE(バー・イリエ)
東京都渋谷区道玄坂1-6-1 Five Bldg B1F
TEL 03-3461-2390
18:00~02:00(L.O.) 日・祝 休
https://bar-navi.suntory.co.jp/shop/0334612390/