ここ「バー オーパ」は、2012年に他界された
名バーテンダー、大槻健二氏が1996年に創業したバー。
「店名は、大槻の愛読書であった開高健のアマゾン釣紀行
『オーパ！』からいただいたものです。その写真は、開高氏と世界を旅した
写真家の高橋昇さんから譲り受けたものなんです」と、
店長の田畑道崇さん。
振り返ると、壁にはウイスキーを飲む開高の写真がある。

田畑さんは、大槻氏にその器と技術を見込まれ、右腕として活躍。
優しく爽やかな雰囲気の奥に、創業者の信念や心意気を守るという
熱い思いを秘めた方です。

先輩の勧めに従い、まずはジントニックをオーダー。
「その店の方向性が凝縮されているのがジントニックです。
甘みが強ければ他のカクテルも総じて甘めであるし、酸味が強ければそれも同じく。
当店のジントニックは、ジンの『ビーフィーター』と
絞りたてのライムをよくステアし、トニックウォーターを加えたら
最後に軽くステアします。あらかじめきっちりステアしておくことで、
最後まで同じ味を楽しむことができます」

ジントニックといえばライムやレモンのスライスが...と思いきや、
それらは入らない、すっきりとシンプルな仕上がり。
「フレッシュな絞りたてのジュースのみです。
ライムもひとつひとつ味わいが異なるので、
見た目で確認し、絞り方や入れる量を調整。いつもまろやかな味わいを
楽しんでいただけるように心がけています」
そうおっしゃる田畑さんの一杯は、
しっかりとした味わいなのに軽やかで、どこまでも澄んだ味がした。

2杯目はお任せでオーダーした。
田畑さんがすすめてくださったのは「サン・スプラッシュ」。
ホワイトラム「ブルガルエクストラドライ」とフレッシュパッションフルーツ、
フレッシュオレンジ、フレッシュレモンのジュース、パウダーシュガーを
シェークした、甘くまろやかな味わい。

つづけて、香り豊かな「マンハッタン・オン・ザ・ロック」。
ウイスキー「カナディアンクラブ」とスイートベルモット、
アロマティックビターズのレシピに、今回は特別にパールオニオンを添えてある。
本来の「マンハッタン」はショートカクテルだけれど
オン・ザ・ロックで供してくれたのは、すでにほろ酔い加減の
私に合わせた田畑さんの心遣い。
「マンハッタン」といえば
レッドチェリーを飾るのが一般的らしいのだが、
可愛らしいパールオニオンがとても印象的だ。

カクテルにもいろいろな技法があり、
グラスに直接、お酒やジュースなどを入れてつくる技法を
「ビルド」と呼ぶことも田畑さんに教えていただいた。
「ジントニック」は「ビルド」。
ちなみにこちらは「ステア」でつくるスタンダードな「マンハッタン」。

仕事熱心な田畑さんと会話が弾み、つい長居したくなる、
大人の働く女性にもうれしいお店です。
ちなみに田畑さんは
NBA（日本バーテンダー協会）全国技能競技大会の
2009年チャンピオンでいらっしゃいます。

＜紹介カクテルの価格とお店データ＞
DATA

ジントニック　1,100円
サン・スプラッシュ　1,600円
マンハッタン・オン・ザ・ロック　1,400円
（スタンダードなマンハッタンも同価格）
※別途チャージ　500円

BAR オーパ銀座
東京都中央区銀座1-4-8 銀座ビッグウエストビル5号館B1F
TEL 03-3535-0208
18：00～27：00（月～金）、18：00～24：00（土）　日・祝休
https://bar-navi.suntory.co.jp/shop/0335350208/