バーでも、柿や洋梨、りんご、ざくろなど
旬のフルーツを使ったカクテルが飲み頃を迎えています。
今回はフルーツの仕入れからこだわっているという
銀座8丁目の「バー・ギンザ・コウ」さんを訪ねました。

店名の「江」（コウ）は、オーナーバーテンダーである
江崎英夫さんのお名前から。

学生時代からバーのアルバイトにのめり込み、
卒業と同時に1940年から現在につづく銀座の老舗バー「スペリオ」に入社。
6年勤めた後は先輩の立ち上げたバーに移籍して活躍。
2013年10月、満を持して自身のお店をオープンされました。
39歳。3人の子供のパパでもあり、
「来年は40代。輝きたいですね」と目をキラキラさせながらおっしゃいます。
学生時代は新体操でも活躍し、今でもバック転ができるとか！
「新体操もカクテル作りも、ひとつずつ技術を覚えてできるようになり、
さらに練習を重ねてうまくなる、という過程は同じ。
そこが楽しいですね」（江崎さん）

江崎さんのなめらかな語り口に引き込まれ、
ここまでのお話を聞き出すのに、わずか10分。
とにかく明るく、でも優しく穏やかで、
ホスピタリティにあふれた方なんです。

ふとカウンターの後ろを振り返ると、
フルーツやハーブがぎっしり並んだショーケースが！

「信頼できる業者さんから、食べ頃のものを仕入れています。
バーにしては大量ですが、近隣のお店の方が買いに来られるんですよ」（江崎さん）
もちろん、お客さんが買うことも、可能。
さっそく作っていただいたフルーツカクテルは、
洋梨と柿、ふたつのマティーニです。

「ラ・フランスのマティーニ」は、
ラ・フランスと「ビーフィータージン」、
フレッシュグレープフルーツジュース少々、自家製シロップに
氷を加え、ミキサーでブレンド。
洋梨の芳醇な香りが口いっぱいに広がり、ジンの苦味が引き締め役に。
氷の細かい粒が残されていて、
まるで本物の洋梨を食べているかのような舌触りに感動！

「柿のマティーニ」は、
柿とブランデー「クルボアジェ」、風味づけにジン「ビーフィーター」と
フレッシュグレープフルーツ、オレンジのジュースを少々。
自家製シロップを加え、氷で味を調整しながらミキサーでブレンドします。
ブランデーのコクと柿の深みに、ひとくちで思わず
「おいしい！」と感嘆。
こちらは氷の粒が残らず、ふんわりなめらかな口当たり。
果物の特長に合わせて、ブレンドの具合が
きっちり計算されているんです。

「甘味と酸味、コクを兼ね備えた旬のフルーツは、
それ自体が完成された味です。だからリキュールは加えず、
フルーツとベースのお酒の味をストレートに
味わっていただくレシピを意識しています」と江崎さん。
もちろん、フルーツカクテルだけでなく
スタンダードカクテルも美味しい。
「口当たりがよく、季節の味が楽しめて会話も弾む
フルーツカクテルは、バーでお酒を楽しんでいただくための
入り口のような存在だと思っているんです。
そこで『おいしい』と感じていただければ、
スタンダードカクテルへの興味もわきますよね。
だからこそフルーツの質や、お酒の味が伝わる
シンプルなレシピが重要です」

そんな会話を横で聞いていた常連さんが
「飲み慣れた人にも、フルーツカクテルはいいんですよ。
口直しや食後のデザートとして、フレッシュなものが欲しいときが
あるからね。ここのフルーツカクテルは
酒好きも納得させるおいしさです」と一言。

磨かれたグラスを照らすLEDの照明が美しく幻想的、
でもそこかしこで会話の弾む
江崎さんの人柄が作り出すアットホームな空間へ、ぜひどうぞ。

＜紹介カクテルの価格とお店データ＞
DATA
ラ・フランスのマティーニ　2,200円
柿のマティーニ　2,200円
スタンダードカクテルは1,200円〜
※チャージなし、サービス料20％

BAR GINZA 江（バー・ギンザ・コウ）
東京都中央区銀座8-7-2 堀越ビル3F
TEL 03-3569-6780
18：00〜03：00（月〜金）、18：00〜23：30（土）　日・祝休
https://bar-navi.suntory.co.jp/shop/0X00326442/index.html