2015年8月21日女性バーテンダーの心遣いと遊び心あふれる斬新カクテルに和む
~東京・大森 Bar Tenderly(バー・テンダリー)
猛暑にうだる東京では、かき氷がちょっとしたブームを起こしています。
手作りシロップにたっぷりフルーツ、ココアやきな粉といったパウダー系トッピングなど、
昔懐かしいシロップのものとは一線を画し、豪華かつ華やか。
そんな中、友人から「〝かき氷カクテル〟なるものを作ってくれる
バーがあるらしい」という情報! さっそくふたりで行ってきました。
JR京浜東北線・大森駅を降り、徒歩5分。
「バー・テンダリー」さんは商店街からわずかに離れた静かな住宅街にあります。
扉を開いて、2階の店内へと導く階段下に佇んだ瞬間、
地域の方々に愛されていることが伝わってきます。
入り口には「バー・テンダリー」さんが主催するカクテルイベントの告知や、
地域イベントのパンフレットが置かれています。
個人的な話になりますが、実はここ大森は母が生まれ育った土地、
私にとっては「おばあちゃんの家」がある場所なんです。
オーナーバーテンダーの宮崎優子さんにそんなお話をすると
「私も大森生まれの大森育ちなんですよ」。
大学卒業後、百貨店に勤務されて接客を学び、結婚・出産後に
地元・大森海岸のショットバーに店長として勤務。独学でカクテル作りを始め、
銀座のバーに通い詰め、さらにバーテンダースクールでも研鑽を積まれたそうです。
数多くのカクテル競技大会で活躍された経歴だけでなく
こちらを常に気づかってくださる柔らかな物腰に
地元の方のみならず多くの宮崎ファンが集う人気店であることが伺われます。
3種が盛られたお通しのうち、1種は好みで選べるところにも
宮崎さんのホスピタリティを感じます。
夕刻になっても夏の日は長く、暑く、
さっそくに"かき氷カクテル"をいただきたいのですが...とお願いすると
おもむろに粉ゼラチンをお湯に振り入れる宮崎さん。
アップルブランデーの「カルヴァドス ブラー グランソラージュ」に
グレナデンシロップ、ライムジュースで作る「ジャック・ローズ」というカクテルに
ゼラチンを加え、氷水で冷やしながら
とろみがつくまで泡立てます。
グレナデンシロップを入れたグラスにかき氷を入れ、
ふんわり泡立ったカクテルを注いで完成。
「かき氷を食べていて、このシロップにアルコールが入っていても
おいしいのでは? と思いつき、遊び心で始めました」と宮崎さん。
お酒があまり強くない私でも、
柔らかな口当たりと甘みでどんどんスプーンが進んでしまいます。
味わってみると、女性客だけでなく男性客にも人気が高い理由がよくわかります。
そんな様子を見ていた宮崎さんが「こんなものもありますよ」と
勧めてくれたのが「カクテルパフェ」。
マンゴーとコニャック「クルボアジェV.S.O.P.」、オレンジジュースのカクテルの下には
ヨーグルトとシリアル、バニラアイス、チョコレートリキュール「モーツァルト」が!
甘みと酸味がほどよいマンゴーカクテルにチョコレートリキュールがアクセントを添え、
アイスやヨーグルトのクリーミーさとも調和して、まさに大人のデザート!
どちらも変わり種ではありますが、大人が満足できる甘みとコク。
お酒の効かせ具合が素晴らしく、完成度の高さに感動してしまいました。
締めの1杯は、ウイスキー「響ジャパニーズ・ハーモニー」の水割り。
「"大人のかき氷"がおいしくて、一気に食べたら身体が冷えちゃった...」という友人の言葉を聞いた宮崎さん、
友人の一杯はお湯割という心遣い! しかも単純にウイスキーをお湯で割るのではなく、水割りをほどよく燗をして出されて、友人は大感激!
よくステアされた水割はまろやかでありながら
時間が経ってもすっきりと澄んだ味わいが続き、
水割ってこんなにおいしかったっけ!? と開眼。
「水割ひとつでも、バーテンダーの心込められた一杯は、まさにカクテルって感じ」
という友人の言葉が胃にしみます。
心に残るデザートカクテルと水割をいただきに、
次は母を誘って訪れたいと思います。
<紹介カクテルの価格とお店データ>
DATA
大人のかき氷 1,500円
マンゴーカクテルパフェ 1,800円
ウイスキー(水割) 1,100円
ウイスキー(お湯割) 1,200円
※別途チャージ 1,000円
Bar Tenderly(バー・テンダリー)
東京都大田区大森北1-33-11 大森北パークビル2F
TEL 03-3298-2155
17:00~01:00(月~木・土)、17:00~02:00(金)、17:00~00:00(祝) 日休
https://bar-navi.suntory.co.jp/shop/0332982155/