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2009年6月27日THEプロフェッショナルインタビュー6月号  フレア・バーテンダー/羽田善行氏&矢吹昌也氏


フレア・バーテンダー
   / 羽田善行氏&矢吹昌也氏(ZEN&MASAYA)

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フレアのタンデム部門で、日本人ペアとして、初の世界チャンピオンに
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09年3月3日に開催されたフレア・バーテンディングの世界大会、「レジェンド・オブ・バーテンディング・ワールド・バーテンダー・チャンピオンシップ2009」(以下、レジェンド)で、日本から出場した羽田善行氏&矢吹昌也氏(ZEN&MASAYA)がタンデム部門で優勝。二人はコンビを組んで5年。長く付き合っていながら、未だに相思相愛のカップルといった印象だ。
※タンデム部門とは、2人コンビで競技を行う部門のこと

フレア・バーテンダー 羽田善行氏&矢吹昌也氏
【羽田善行氏&矢吹昌也氏は
レジェンド・オブ・バーテンディング・ワールド・バーテンダー・チャンピオンシップ2009でタンデム部門優勝】

矢吹昌也氏(以下、MASAYA)がフレア・バーテンディングを始めたのは、T.G.Iフライデーズに就職したのがきっかけである。
「T.G.I渋谷店に入社して、初めてフレアに出会いました。バーテンダーを希望していましたが、最初はフロアスタッフから始めました。人見知りだったのですが、先輩とお客様との会話を聞いたりして勉強していました。」

フレア・バーテンダー 矢吹昌也氏
【フレア・バーテンダー 矢吹昌也氏】

羽田義行氏(以下、ZEN)は、オーセンティックバーのバーテンダーとして別の店で働いていた。その後T.G.Iフライデーズ六本木店で、フレアと出会う。
「昔観た映画『カクテル』の世界がそこにはあって、すごくかっこいいなと思いました。T.G.I六本木が開店することになり、オープニングスタッフになりました。運よくバーテンダーの配属に選ばれ、フレア指導のトレーナーだったのがMASAYAでした」

フレア・バーテンダー 羽田善行氏
【フレア・バーテンダー 羽田善行氏】

T.G.Iフライデーズのショータイムでは、4名のフレア・バータンダーがそれぞれ一人ずつショーを披露していた。しかし、これでは面白くないと、お互いのボトルをパスしながら交換するなど、グループでのショーを考案したという。
当時、タンデムやグループによるフレアが行われることは少なく、お手本となるビデオ等もなかったため、自分達で工夫してショーを組み立てていった。

「ブレイクダンスやヒップホップなどのダンスをよく見ましたね。音楽の使い方や、格好良く見せる動作、メンバーのフォーメーションの変え方などが参考になりました。」

フレア・バーテンダーはそれぞれボトルの回し方や、ボトルをつかむタイミングにクセがあり、他の人と組むのはなかなか難しいといわれる。ZENは、MASAYAのファンで、体の動かし方や、ボトルやティンの使い方などを真似して習得した。二人の動作が似ていることもあり、タンデムを組むとしっくりきたという。

「他の人と組むこともありますが、今はお互いが一番しっくりくる感じです。身長差が少しあるのですが、ZENにボトルを高めに挙げてもらったりすることで、タイミングが合っていますね。」(MASAYA)

フレア・バーテンダー 羽田善行氏&矢吹昌也氏
【ZEN&MASAYAはお互いのタイミングやクセを熟知しているため、
難度の高いフレア・テクニックが次々に決まる】

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長続きする仲のよさの秘密
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コンビを組んで5年が経つという二人は、一時期同じ部屋で暮らしていたこともあったという。
「お互いに忙しくて練習の時間がなかなか取れない。それなら一緒に住もうということになって、後輩と3人で2年間暮らしました。起きてから仕事に行って帰って寝るまで、食べるものや聞く音楽も一緒でした」
と、二人は笑う。
それほど長く一緒にいて、人間関係がうまくいくコツは何だろうか。

「まずは遠慮しないで、何でも要求を言い合う。フレア・テクニックのことで言えば、ここにボトルを投げてほしいとか、もっと早く動いてほしいとか。時には、お互いにフレアのルーティンや曲の解釈などでケンカというか、意地の張り合いになることもありましたよ。」(MASAYA)
「熱くなっているときに話をすると、余計にヒートアップする。少し離れて距離をおき、口も聞かない。でも一晩経つと、冷静になれるので、昨夜のことは忘れ、お互いに歩み寄れることがありました。」(ZEN)

なるほど、同性に限らずカップルや夫婦でも良い関係を築くには、雲行きが怪しいときには、少し距離をおくのが必要不可欠なのだと納得した。

コンビを組んで2年半が経過した2006年、ラスベガスで行われた「キング・オブ・リング」大会ではタンデム部門3位、韓国で行われた「ゴールド・シェイク・カップ」のタンデム部門で優勝するなど、コンビで頭角を現し始めた。2008年のレジェンド大会では、惜しくも準優勝。2009年は、優勝を狙っていった。

「今年のプログラムは、半年かけて創りあげました。激しいプログラムで、最初に演技したときは、全力疾走後みたいな感じで、しばらく動けなかった。」

体力をつけるために、腕立て伏せ20回ののちにボトルを100回投げるという訓練を行った。スタミナがつき、息が上がっていてもボトルが安定して回すことができるようになった。5分間のプログラムのフィナーレは、二人ともボトルを4本ずつ投げる。最も疲れている時間に、大技をもってくることで観客を盛り上げる作戦を立てた。

「ラスベガスの大会はカジノで働くバータンダーが多く、日本人はアウェーです。誰もが納得する演技を決めて、優勝しようと考えていました。」

曲は、吉田兄弟のストームをアレンジ。三味線の楽曲に太鼓の音などを加え、和を意識した。衣装は、法被(はっぴ)をイメージさせる"ちりめん"でつくったベストを着用した。

「海外の選手は、技がすごければOKみたいな感じで、Tシャツにジャージみたいな格好の人もいてビックリ。自分達は、あくまでも格好よく観客に見せるのが必要だと思っているので、細かいところにも気を配りたい。」

フレア・バーテンダー 羽田善行氏&矢吹昌也氏
【5年の歳月で培った技術は、フレア・バーテンダーとしての領域をはるかに凌駕し、多方面での活躍を見せる】

現在二人は、フレア・バーテンダーのチームUPTに所属。メンバーの中には、08年に「スカイ・フレア・グローバル・チャレンジ」で日本人選手として史上初の世界チャンピオンとなった金城光浩選手もおり、世界的に高いスキルを誇るチームだ。

今後の目標を聞くと「来年もレジェンドで優勝して、ディフェンディングチャンピオンを目指す!」と明言。既に来年のプログラムに向けて、更なる大技を特訓中だ。

羽田善行氏&矢吹昌也氏出演のイベントのスケジュール、出演依頼等はこちらのHPからお問い合わせ下さい。

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2009年4月:煙時(エンジ) / 東京・銀座 坂本龍彦氏
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